茅ヶ崎で文字(活字)絵で表現している方々の作品コーナーを作りました!

朝起きると、窓を開け空を見上げる。そういう自然の活動の気配に、たくさんの生きる幸せをもらう。私は六十七歳で、六十九歳の夫と出会い、結婚し、六年の歳月が経った。その老いのひと日ひと日を、夫と共に大切に、楽しみ、いつくしみ、驚き、心打たれ、生きている。日々の中で絵日記として記したものを「くさぐさ(種々)の記」として、まとめた作品集。
膠原病、間質性肺炎、心不全、そして酸素ボンベ生活……。年齢とともにできないことが増えていきます。いろんなことを嘆いたこともあるけれど、「一番何がしたいの」?とかけられた言葉が、前向きに生きるきっかけとなりました。今の私にできること、誰かのためにできること、あなたにもきっとありますよ。手にとってくれた読者への、手紙のような優しいエッセイ。
大きな商家の次女として何不自由なく育った久美子。太平洋戦争が始まってまもなく、親戚の輝男と結婚して満州に渡るが、数年後、日本の敗戦によって幼子を連れて命からがら引き揚げ船に乗り帰国する。だが、故郷で待っていたのは、家族の歓迎ではなく、冷酷な仕打ちだった。母の手記をもとに、戦中戦後の激動の時代を凛として生き抜いた女性の半生を描く大河小説。
「貴方の前世が見えたのよ」美術館で偶然出会った女性にそう言われた五代裕介は、その後、近代美術展で彼女が裕介の前世だと言った「まなべそうさく」と同姓同名の画家が描いた油絵を見つけた。偶然とは思えない符合の数々に興味を持った裕介は、後輩の美大生、相原美咲の協力を得て調査を始め、画家の足跡を求めて山口県萩市へ向かう……。現世と前世が綾なす切ない恋物語。
若い時は一人でも幸せだし、体温だって高いわ。老いたら体温も下がって、寂しくて、凍えてしまう……。思春期は燃えたぎる夏へ向かい、思秋期は凍りつく冬へ向かう。人の一生も、また四季である。肌を温め合い慈しみ合って生きる相手がいなければ、冬は生ききれないのかも知れない――。人生の折り返し地点を迎えた女の生き様や切なさを謳い上げた4編の小説哀歌。
「この子は、助かりませんね」。肺炎で床に就いていた5歳の私。その枕元で医者は母にそう言った。だが自身の命と引き換えにしてくれたのか、その2年後に母はなくなり、私は80歳近くなった今も生きている――病を抱えながらも苦学し、就職、独立。癌宣告も乗り越えた著者が、これまでに出会い、また見送った多くの人やものごとについて、そしてそこから学んだことをつづったエッセイ集。
18歳になったのを機に、友人に誘われて初めて献血をした友美恵。そこで自分が両親から生まれえない血液型であることを知ってしまう。母・文恵への不信感から、両親に心を閉ざす友美恵。しかし文恵にとっても、それはまったく身に覚えのないことであり、謎の解明に家族は動き始めた。事件を通し、血縁とは? 家族とは? を読む者に問いかける物語。